ワインや料理を楽しむためのマナー、豆知識を紹介します。

グラスの話1

 

 

 

スペインのソウルフードはタパスである。


タパスは小さい小皿に乗った少量のおつまみみたいなものであるが、これをたくさん食べてメインディッシュにしてしまう所がスペインらしい。スペインのバルに入るとカウンターの大皿に盛ってある。テーブルで注文もできる。
もちろんスペインには伝統的なメインディッシュがある。それは、マドリッドの肉の煮込み。

マドリッド市内エル・ラバーノの肉料理

 

さて今日訪れるのはマドリッドの最高の格式をもつレストラン ラ・テラッサ・デル・カジノ。

名前から想像するカジノを超越したマドリッドの社交界の拠点となる格式のある屋方内にある。レセプションで予約した名前を告げると手動の蛇腹の重たい格子扉のエレベータに案内される。この屋方内部を写真撮影しにくる観光客がいるくらいである。
さてここのフルコースを紹介しよう。

 

まずウエルカムドリンクがブラディーマリーである。
そして前菜となる。普通アンティパストとかオードブルとなるがスペインではSnacksとなる。そしてこのスナックこそがタパスパラダイスの始まりである。
Olive oil butter
Oyster cone
Guacamole and herring

Chocolate and foie-gras"Filipino"
Peking duck
Goat cheese and moshi
Fried quail egg and potatoes
Shirimp omelet
以上すべておしゃれな小皿で次からへと丁寧な説明を付けて給仕される。これだけでストーリーがありコースとして勘違いしてしまう。さていよいよこれからディナーを始めていいかと聞かれる。そしてディナーのパラダイスのが始まる。
Fake calamari risotto with curry

Carbonara egg nest
"Castanuelas"with wild mushrooms and seaweed
Bordalaise lamprey
Ramen of eel wih pork belly at low temperature
Broad beans with clams,artichokes and greensauce
Hake with shallots and codium seeweed
Iberian pork yucca and dates
Cinger pear and cranberry
こうやって食べろ、ああやって食べろ、一緒に口に入れろと説明が非常に几帳面だ。しかしややめんどくさくなる。食材はすごいインターナショナルだ。
そしてDESSERTのテーブルサービスとMORPHINGSとなる。

食後のティーの種類の多さには驚いた。社交界のクラブのニーズ何だろうか?おそらく食材に精通していないとどれが何かは解らなくなる世界だ。
それでもマドリッドの最高峰の給仕を堪能できる。ここはカジノクラブと言う器に用意されたレストランだ。

対象的なのがマドリッドで同じくミシュランの二つ星を持つセルヒ・アローラである。
ここは正に料理の為の器だ。
閑静な通りにドマンが一人いるだけのおしゃれなレストランである。
フルコースのメニューが至ってシンプルだ。
前菜にPenne
最初のお皿がWhite Tuna Blanquette
第二の皿がFricando2014(roast veal with toast nuts)
デザート、珈琲 end
あ、終わってしまった。と言う感じである。

しかし料理は秀逸である。

ツナのクリームスープ煮は、見た目のクリームのイメージとは違い驚いたことに魚介系の出し味だ。サプライズだ。

クリームスープ煮は食べていくと具材がなくなりスープだけになりさみしくなるが、これは、食べるほど赤い色がにじみ出てかえって食をそそるマジックだ。
正に料理の為の器である。

さて前置きを終え、グラスの話である。
グラスもワインの為の器であるときと、器の為のワインとがあってもいいと思う。

ラ・テラッサ・デル・カジノ

 




glass story top