ワインや料理を楽しむためのマナー、豆知識を紹介します。

グラスの話1

 

 

 

今回はニューヨークシティー(NYC)に戻ってまいりました。2015年6月

まず今回感じたのが、NYCのグルメシーンでは“すし”が定番になりつつある中で現在ラーメン店がNYCのジャパニーズフードを席巻しつつある。

 

NYCのいくつかのグルメシーンをご紹介しましょう。

 

アメリカのシーフード料理と言えばロブスター、オイスターである。

イギリスで3時のアフターヌーンティーにいただく焼き菓子・ケーキを乗せる三段重ね皿のツリーに、氷を敷き詰めてロブスター、カキ、蟹、そして貝類を乗せてテーブルの中心に置き、みんなで囲んで食べるシーンに代わって、最近フロアーに板場を置いてすし職人の格好をした外人がすしを握っている。ユニオンスクエアーに隣接する老舗のシーフード店
”ブルーウオーターグリル”でもロブスターとすしが同等のステータスを持っているようだ。

 

 

NYCと言えばステーキである。

 NYCのステーキハウスとしてナンバーワンに君臨するのがミッドタウンにある

”ストリップハウス”である。店内は赤を基調とした内装に、来店した国際的な要人、世界的なエンターテイナーの写真が所狭しと飾ってある。中には時の小泉首相の写真もあるそうだ。この店は場所柄ビジネスシーンにも使われる高級レストランである。観光目当てのその日の予約は取りづらい。以前来店したときに既に、NYCで先駆けてエイジングミートを提供していた。

 ステーキのステータス以上にサーバントのステータスが非常に高い。いろんな前菜を頼んでメインのステーキをオーダーすると、その前菜の食べ終えたところを見計らってステーキを焼いているのだろう。絶妙のタイミングでステーキが出てくるのだ。

 筆者が前菜をメインと一緒に食べたいと思い、何時までも前菜のフィニッシュを言わなかったからだろう、厨房の予定を狂わせてしまった。新しく焼き直したのかもしれないがおかげで私のステーキだけ待たされて遅れて出てきた。それを見ていたフローアーのシニアのマネージャー(スーツ着用)が私のテーブル担当者を視線で叱責し始めてしまった。どうしてお客を待たせるんだとばかりに。担当者に悪い事をしてしまった。

 フロアーのサーバントに張りつめた緊張感があり、日本のおもてなしとは違った非日常的なシーンを堪能させてくれる。

 

 

NYCでステーキの話はピーター・ルーガーを置いてすることはできない。

回りをカリッカリに焼いてあり中身は歯ごたえ十分、そして噛んだ時に肉汁が出てくるジューシーなステーキである。しかもおいしさを惜しむことなくヘビー級のサイズで出てきて、十二分に堪能できる。ピーター・ルーガーのステーキを食べてしまうと日本のどんな高い肉も物足りなくなる。まるですしネタだ。小さくてたらたら。すぐになくなってしまい口惜しい。

 

 

創業125年ながら、ピーター・ルーガーは、今ではブルックリンの下町ながらNYC観光客の定番となっている。

 NYCでステーキを食べた後のデザートが決まって超ヘビー級の甘さとサイズだ。これだけの肉を食べた後、なぜかビックなスイーツが入ってしまう。下の写真はピーター・ルーガーのデザートだ。ストリップハウスのデザートよりサイズが小さいが、写真にあるようにお皿に生クリームがてんこ盛りになっている。体中のインシュリンを総動員させる食事だ。

 

 

 

NYCでもう一つ堪能したいグルメシーンが贅沢なブランチである。

場所はセントラルパーク内のボートハウスである。ここは車で直接行けない。皆あるいてやってくる。ジョギングの途中の人も見かけられる。セントラルパーク内のNYの歴史を作ってきたレストランである。土曜日の朝9時と同時にセレブたちが集まってくる。幸いの事にこの時間、異国の観光客らしいテーブルは見かけない。

 

シンプルなプレート料理が非常に贅沢な時間を演出してくれる。ここのパンはケーキの様に甘くおいしい。

 

 

いつもながら、NYCのグルメシーンでは当サイトのメインのグラスと言う器の話が出ない。それこそがNYCらしさと言えよう。NYCと言う所は器が問題ではなく、器の中身が問題なのである。NYCがすばらしいのではなく、NYCに行ってすることがすばらしいのである。

 

 




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