ニュースレター
主筆:川津昌作
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特記事項 弊社ニュースレターは、弊社の関係者及びお得意様に限定して、不動産ビジネスを行う上で注目すべきテーマをタイムリーに取り上げ、問題点を共有する為の
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取り上げる内容については、成熟した定説を取り上げるのではなく、早熟なテーマを取り上げるため、後から検証すると拙速な結論になってしまっていることもあります。
そう言った事を十分にご理解したうえで、ご参考にしていただきますようお願い申し上げます。
祝IGアリーナ (名古屋)
〈2025年7月20日〉
要点
1. スポーツ産業は国内産業の重要な柱となり、海外との競争が激しくなる。
2. アリーナに新設は過去の名古屋飛ばしの解消策ではなく、新ビジネスの器であるべき。
3. 新しいコンテンツ、新しいビジネスは新しい器を求める。
名古屋にGIアリーナが誕生した。全国的な放送による、お目見えが大相
撲の名古屋場所となった。規模も大きくなり、待ちに待った新しい施設と
して市民に受け入れられそうだ。
都市型アリーナ待望論は決して新しくない。2015年の日本不動産学会秋
季全国大会で、東京オリンピック開催を前にして、都市経済の新たな視点
がプレゼンされた。「オリンピックと不動産」と言うテーマで、参加型ス
ポーツの都市における新たなニーズが討議された。
スポーツが、郊外型の大きな施設で単なる観戦型のニーズから、参加型観
戦スポーツとして都心の中核的施設となる。都市型アリーナが参加型消費
象徴となり、都心商業施設に取って代る可能性がある。今これを言っても
当たり前で、何をいまさら言っているのか?と言う感があるかもしれな
い。
2015年 https://www.kawatu.co.jp/nagoya/kwf/kwf670.html
2018年 https://www.kawatu.co.jp/nagoya/kwf/kwf791.html
弊社ニュースレターでも、当時ことあるごとに、都心の新しいニーズと言
うテーマで都市型アリーナ施設の建設を訴えてきた。時を経て10年後よ
うやくアリーナと言う名称で都心にスポーツ施設が一つ登場した。長いの
か短いのかさておき、素直に祝いたい。そこで今度は、今から将来を見据
えてどんなニーズができてくるかを議論したい。
これから10年でスポーツ産業が日本国内の内需産業の柱となる。教育、
文化、社会の中心に位置するようになる。野球をはじめ、サッカー、テニ
ス、バスケット、バレー等々多くのスポーツが欧米諸国のようにビッグビ
ジネス化し、新たな内需産業として成長し、そこからまたアジア、世界と
つながっていく。
日本でスポーツ産業が成長し、アジア、世界の多極化の一極になれば、イ
ンバンド産業にも貢献し、日本の若者の海外流失にも歯止めをかけ、また
多くの海外からの投資が期待できる。
郊外型の大きなドーム施設ではなく、5000人クラスの都心型スポーツ施
設がメインとなる。話題から10年でようやく1施設では、スピード感が
無い。実際現在Bリーグチーム、ファイティングイーグルスが良いメイン
アリーナに恵まれず、ホームの地の利を得ていない。
せっかくニーズがあって、スポンサーがあって稼働しているにもかかわら
ず、施設がない状況だ。豊橋のアリーナ建設問題も、政治的意見を言うつ
もりはないが、整備には、これら施設が都心にあるが故、多くの都市計画
上行政手続きを踏まなくてはならない。どこのセクターがスピード感がな
いのか?
マスコミ、学者を通じてしばしばステレオタイプの情報が発信される「需
要が読めない。」「ほんとにニーズがあるのか?」ビジネス感の無い言い訳
だろう。不動産など空間ビジネスはセイの法則が機能する世界だ。供給が
ないところに需要は生まれない。ビジネスは新らしい器に新たなビジネス
が宿る。
ただし今後、スポーツ産業が内需の柱になるには、いくつかの問題を乗り
越える必要がある。アメリカを見れば明らかである。スポーツ産業がプラ
イマリーマーケットとすれば、スポーツギャンブル市場がセカンダリーマ
ーケットである。
これを日本の文化でどのように受け入れるか?これは大きな問題である。
100年前マックス・ウエーバーは、資本主義はスポーツ化するとまで言
っている。現代の資本主義の象徴である株式市場は、ほぼギャンブルかゲ
ーム市場と変わらない状況だ。
日本の政府の啓蒙で「貯蓄から投資へ」が新NISA政策などで進んでい
る。株式投資が健全な国民により行われるようになった?しかしよく見て
ほしい。株式投資をしている一般国民のどれだけが、購入上場企業株式の
直近3年の決算書を取り寄せて投資をしているか?
もっと言えば「経済新聞を読むと失敗する株式投資」なんてうたい文句の
ユーチューバーもいるくらいだ。財務分析もせずデイトレードで儲けを出
すのは博打・ゲームとどこが違うのか?これをスポーツ、ゲームの世界と
言ってどこがフェイクか?となってしまう。
アメリカのAI銘柄NVDAを購入している人のどれだけ、この銘柄の財務
分析をしているだろうか。資本主義社会文化がスポーツ化していくこと
は、避けられない時代の趨勢だろう。大阪でIR産業が始まろうとしてい
る。
弊社は次のように考える。歴史の賢者が言うように、資本主義はスポーツ
化しゲーム化する。これに抵抗するのも一つの考えである。しかし現実日
本が、アメリカ型の自由な資本主義で生計を立てている状況で、あらがえ
るとは思えない。
であるならば、むしろ事前に受け入れて、制御下に置く戦略が必要だろ
う。できもしない資本主義のスポーツ化の方向転換を大義に掲げ、結局何
もできず最悪のカオス状態になることを避けるべきだろう。これも一つの
考えである。
かつて日本のプロ野球は、闇の勝敗博打があり反社会勢力の大きな資金源
となっていた。当然のごとく八百長事件が過去にあった。逆にJリーグ
は初めからスポーツクジを用意した。ほとんど宝くじに近いようだが、ガ
ス抜き機能をしているのではないだろうか?
言わずもがな、国内法だけでは制御できない海外のスポーツ賭博が、簡単
に日本社会に参入できてしまう。であるならば初めから公営のスポーツク
ジを導入することは一つの考え方としてあるべきだ。
事実として認識しなくてならないことは、米大リーグで超高額年俸が払え
る市場に成長するには、プライマリーマーケット、セカンダリーマーケッ
トとの両輪効果による成長が必要になる。ビジネスである以上市場として
成長しなければ、外に吸収される。今の日本のプロ野球選手が皆MLBに
行きたがるのはなぜか?
話を元に戻そう、今回の名古屋のGIアリーナは始まりでしかない。今あ
る既存の施設が今後老朽化して使い物にならなくなるスポーツ施設(競争
力がなくなる施設)を考えると、決して増えたわけではない。
更なる計画で、都心に都市型アリーナの増設のスピードアップを願いたい
ものだ。10年後もう一度このニュースレターを見てみたい。以下が10
年前の弊社のニュースレターである。
参加型都心アリーナとは何?と言う質問を受けたことがある。参加型とは
都心にあるアクセスがいいことを意味する。と同時に観戦の参加型アリー
ナである。
名古屋ではJリーグチームがあっても、サッカー専用のフィールドはな
い。まず陸上トラックがフィールドと観客の間にある。ヨーロッパのビッ
クなサッカーティームの競技場に観客の間にそんな距離感はない。有名な
ところではセリアAでローマのオリンピコス(由緒あるオリンピックス
タジアム)ぐらいだ。
バスケット専用アリーナはフィードと観客に間はなく、選手が客席に飛び
込むこともある。都心型テニス専用スタジアムはアリーナと呼ばれる。日
本の大相撲に力士が客席に飛び込むくらいの距離感がもしなくても、本場
所の臨場感が出るだろうか?観戦の参加とはこの距離感をでもある。
陸上のトラックを挟んであるフィールドで、観客と競技とが距離感ある観
戦する。ラグビーのワールドカップを専用競技場でないところですること
は、ラグビー大国から見れば冒涜かもしれない。違った競技を併用できる
施設で数合わせをするような計画が都市ビジョンでは、スポーツ産業の成
長は期待できないだろう。
IGアリーナの完成で、「これで名古屋飛ばしが減る」というマスコミの論
調を見かける。何十年前の思考だろうか?名古屋飛ばし対策のための施設
づくりなのだろうか?10年も前からある、新しいビジネスの創造のため
の施設という発想すらマスコミ論壇にはないわけだ。
以上
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