ニュースレター

主筆:川津昌作
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AIによる失業、過剰アリーナ

〈2025年10月5日〉

要点
1. ビジネスモデルであるアリーナつぶしが起きている。いつの間 にか新しいコンテンツが来なくなった古い施設が新型アリーナ と同列になってしまっている。
2. AIはレベルの低い置換労働型技術進化ではない。社会を大転 換させる技術革新である。失業の機会ではなく、新創造の機会 である。
3. フェイクニュースはすでに死語になる。

最近のジャーナリズムはポピュリズムを批判するがその一方で一番ポピュ リズムを情宣している。最も、いつの時代も一番激しく攻撃するのは、敵 をやっつける為でしかないが。

どの新聞とは特定しないが、最近の市場の論壇から二つのテーマを取り上 げたい。少し前のアリーナが全国でできすぎて過剰になり採算が合わない というものである。もう一つがAIによる失業だ。

例えば、名古屋で考えると、おかしな話だ。アリーナができたのはIGア リーナ一つである。しかしいつの間にか4−50年も前に建てられて体育 館、ホールが急に便乗アリーナになり、過剰だと言いだした。その片棒を 担ぐジャーナリズムだ。

最新のアリーナで開催される新しいコンテンツと、半世紀も前の古い施設 で行われるコンテンツの違いもお構いなしに、いつの間にか新しいモーブ メントに抗い生き残ろうとする、古い施設の新しいものに対する抵抗であ る。

それを真実の声として報道するなら、半世紀も前の施設で新しいコンテン ツが来たがらない状況に不満を持つユーザーの声をどうして取り上げない のか?今までの名古屋飛ばしの現状に対する不満である。

次に、直近のある紙でAIによる失業がかならず生じる。という論説を上 げていた。あまりにも稚拙な論説だ。論者の主張は産業革命の機械技術進 化とAIの技術進化は違うという。という理由だ。

18世紀イギリスで起きた産業革命、特にここでは綿軽工業の技術進化を いうのであろうが、技術進化により置換労働が起きたが機械産業の成長で 失業は起きなかったという説明がなされていた。

イギリスの産業革命で起きた技術進化のメカニズムは、まず置換労働の技 術進化が起きたのではない。産業、社会の生産性を一気に向上させる技術 革命が起きたのである。

その結果、新しい紡績、紡織仕事に新たな熟練技術を必要としそのための 教育、従来の産業部門への新たな労働(婦女子、移民)供給が起きた。社 会全体では労働不足である。

要するに社会の生産性を一気に変えるほどのインパクトがある技術革新で あれば、全体的で新たな労働機会が生まれて労働不足になる。ただし生ま れる技術が高ければ高いほど社会実装に時間がかかり、その間の労働力の ミスマッチが労働市場では起きる。

もしこの時に起きた技術産業が、新たな社会に変換する高度な技術革新で はなく、単なる労働置換技術であれば、それによる大きな社会変動は小さ く、短時間でその労働ミスマッチは解消されてしまう。

ちなみにイギリスが産業革命のイニシアチブを謳歌できたのは、厳しい政 策ではあったが一時的な失業者の救済を後にしても、新しい産業労働階級 の台頭を優先させたことにある。

これから起きようとしているAI革命は、従来の大衆財消費中心の社会か ら、情報の大量生産大量消費時代への大転換である。単なる置換労働技術 進化ではない。まず最初に起きるのが、AI関連の新しい技術に対する高 度な熟練労働需要である。この時点ですでに労働不足になっている。

これに対し、新しい技術労働に対する移行による補填として移民・休眠労 働力に対する需要が高まる。そしてAI技術の進化が高ければ高いほど、 長い時間を要しながら労働置換が進む。逆にもしそうでなくAIが単なる 労働置換技術であるならば、一時的な労働力不足だけが起きる。

もしAIが単に失業者を生むだけとして、AIにブレーキをかけるなら、 社会全体の漸進リズムが狂い、もっと大きな経済の成長チャンスを失う。 AI革命はそれくらいインパクトの大きな技術革新である。

冒頭の古い施設に寄り添った新型アリーナつぶしと同じだ。AIつぶし だ。さもこれがジャーナリズムの対立意見の提示であるように、正しい情 報として安易に活字化してしまうところが極めて危険だ。

AIごときで失う仕事は、いずれ早晩市場から退場すべき効率の悪い生産 性のない仕事であるはず。ビット単位のデジタルディバイスの一部が今後 量子コンピューターに変わろうとしている。これを重大な失業危機として しまうか、それとも重要な産業転換と考えられるか?の違いだ。

「フェイクニュース」という言葉があった。大量情報時代この言葉は死語 になるだろう。どこどこの情報エージェントは真でどこどこは偽だという 区別は時代遅れだ。そもそも物事に真偽を正確に評価できない。真偽はユ ーザーが感じるものだ。

                            以上

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