ニュースレター

主筆:川津昌作
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JR東日本高輪G駅、評価8位

〈2025年12月5日〉

日経流通MJ新聞(12月3日)に、10月にできたJR東日本の高輪ゲ ートシティーの評価が取り上げられていた。

報道の意図は、良い評価としたいのか悪い評価としたいのかは理解できな い内容であったが、山手線30ある駅の中で8位を強調している。今回の ニュースレターの目的は、名古屋駅が関東から関西までの東海道の中で評 価されたら何位になるのであろうか?を考えてもらう問題提起だ。

高輪Gはリニアを想定したJR東海主導の品川駅開発に隣接し、ある意味 JR東日本が品川駅再開発に対抗的に行った駅開発であり、できる前、当 時から不便という予想がなされていた。

詳しい内容は新聞を読んでいただきたいが、一点だけ紹介すると鉄道駅か らのアクセスはいいが、車など他のアクセスが不便という声を取り上げて いた。

現在の都市開発の中心が、主要交通機関の交通アクセスを核としている。 特に都市間交通だ。従来のように商業施設がメインでアクセスが後からつ いてくるという時代ではなくなってきた。

しかもリアルな人の流量だけでなく、情報の発信基地つまり情報の流通拠 点となる事が最近求められている。人、物そして情報の交流拠点となる事 が都市の核となり、その核の実効性がその都市の趨勢を左右することにな る。

折しも、名古屋では「NAGOYA都心会議」なるものが設立され名古屋地方 紙の新聞紙面を飾っている。名古屋五摂家はじめ主だった企業が集まって 名古屋の都市を良くするための民間の器だろう。

このNAGOYA都心会議が名古屋商工会議所の音頭で発足した。名商の音 頭で発足することが素晴らしいことであろう。何かと都市開発と言うと行 政の制度ありきで、財界がそれに追随するのが従来のパターンであった。

しかし、国、自治体行政からお金が出ることは期待できなくなった今、財 界もしくはそれに代わる都市デベロッパーが必要になる。資本主義の大き なリズムの中で言えば、都市が資本蓄積の器となり、さらに進んで都市が 資本主義の成長の駆動エンジンとなってきた。

都市が、資本主義の発展の駆動エンジンになるという事は、都市を開発す るセクターが資本主義の主要なエンゲージメントとなる。これは行政では ない。何故なら市場的社会主義ではないからだ。

当ニュースレターで何度も取り上げているが、かつて名古屋財界五摂家が 隆盛をしていた高度成長時代以降、名古屋市都心を商業施設で核を作り都 市の賑わいを創出していた。これは名商を中心とする財界が利権調整しな がら儲かるビジネスモデルを作ってきたわけだ。

ただし、機能していたのは、五摂家が仲良かったことを意味するのではな い。五摂家だけでなく、いろんなビジネスプレーヤーが様々な利害を主張 して、それらを取りまとめて差配したというのがおそらく正しいのではな かろうか?ビジネスのダイナミズムがあったわけだ。

新しいビジネスモデルを開発する百貨店、従来の小売店、更に振興のスー パー、私鉄、国鉄、市中銀行、エネルギー問題等々様々な利害の主張が強 く衝突していた。つまりエネルギーが満ち溢れていたわけだ。

今回の都心会議がどのようなものか知る余地もないが、お上で決めたこと を下で口を開けて待っているだけ、とりあえず参加しとこうだけの仲良し クラブであるならば期待ができないわけだ。

上記のように名古屋駅の東海道における「駅間競争」なるものが起きると 想定すると、まずリーダーの大風呂敷。そこで名古屋駅を中心とした交通 アクセスにおける利権が激しくぶつかり合い、それを差配する力をトップ が示す姿。これが機能すれば名古屋駅の将来は明かるのではないだろう か?

名古屋駅がハブとなり、東海地方への交通・アクセス拠点となるビジネス モデルだ。名古屋駅のハブ化が評価されればおのずとインバウンドも期待 できるのではなかろうか?

まずは、名古屋駅の可能性をみて、こんなに儲かりまっせ!そこでどうや って儲けたい?これが醸し出されなくてはならない。

最近名古屋駅を見て懸念する点がある。名古屋駅はセントラルタワー、ゲ ートモール、KITTE、ミットランド、ルーセント等駅のブランドビルとも 言うべき施設が登場しているが、主だった上場企業の名古屋支店、出先機 関の多くがこれらのビル施設に入居している。

更に、スタートアップ、或いは地方の中小の企業がこれらのブランドビル 施設からクラウドアウトされてしまっている。その一方で名古屋駅などか ら距離がある広小路、伏見あたりの中間の商業ビルに、主だった企業を見 かけることがなくなってしまった。

中心への集積、一部のブランドビルへの過度の集積化が起きてしまい、周 辺の空洞化が起きてしまっている。おそらく名鉄名古屋駅ビルの再開発が 完成すれば更なる、これら中心施設への集積が生じ、その分周辺の空洞化 が進むだろう。

1. ビジネスモデルであるアリーナつぶしが起きている。いつの間 にか新しいコンテンツが来なくなった古い施設が新型アリーナ と同列になってしまっている。
2. AIはレベルの低い置換労働型技術進化ではない。社会を大転 換させる技術革新である。失業の機会ではなく、新創造の機会 である。
3. フェイクニュースはすでに死語になる。

最近のジャーナリズムはポピュリズムを批判するがその一方で一番ポピュ リズムを情宣している。最も、いつの時代も一番激しく攻撃するのは、敵 をやっつける為でしかないが。

どの新聞とは特定しないが、最近の市場の論壇から二つのテーマを取り上 げたい。少し前のアリーナが全国でできすぎて過剰になり採算が合わない というものである。もう一つがAIによる失業だ。

例えば、名古屋で考えると、おかしな話だ。アリーナができたのはIGア リーナ一つである。しかしいつの間にか4−50年も前に建てられて体育 館、ホールが急に便乗アリーナになり、過剰だと言いだした。その片棒を 担ぐジャーナリズムだ。

最新のアリーナで開催される新しいコンテンツと、半世紀も前の古い施設 で行われるコンテンツの違いもお構いなしに、いつの間にか新しいモーブ メントに抗い生き残ろうとする、古い施設の新しいものに対する抵抗であ る。

それを真実の声として報道するなら、半世紀も前の施設で新しいコンテン ツが来たがらない状況に不満を持つユーザーの声をどうして取り上げない のか?今までの名古屋飛ばしの現状に対する不満である。

次に、直近のある紙でAIによる失業がかならず生じる。という論説を上 げていた。あまりにも稚拙な論説だ。論者の主張は産業革命の機械技術進 化とAIの技術進化は違うという。という理由だ。

18世紀イギリスで起きた産業革命、特にここでは綿軽工業の技術進化を いうのであろうが、技術進化により置換労働が起きたが機械産業の成長で 失業は起きなかったという説明がなされていた。

イギリスの産業革命で起きた技術進化のメカニズムは、まず置換労働の技 術進化が起きたのではない。産業、社会の生産性を一気に向上させる技術 革命が起きたのである。

その結果、新しい紡績、紡織仕事に新たな熟練技術を必要としそのための 教育、従来の産業部門への新たな労働(婦女子、移民)供給が起きた。社 会全体では労働不足である。

要するに社会の生産性を一気に変えるほどのインパクトがある技術革新で あれば、全体的で新たな労働機会が生まれて労働不足になる。ただし生ま れる技術が高ければ高いほど社会実装に時間がかかり、その間の労働力の ミスマッチが労働市場では起きる。

もしこの時に起きた技術産業が、新たな社会に変換する高度な技術革新で はなく、単なる労働置換技術であれば、それによる大きな社会変動は小さ く、短時間でその労働ミスマッチは解消されてしまう。

ちなみにイギリスが産業革命のイニシアチブを謳歌できたのは、厳しい政 策ではあったが一時的な失業者の救済を後にしても、新しい産業労働階級 の台頭を優先させたことにある。

これから起きようとしているAI革命は、従来の大衆財消費中心の社会か ら、情報の大量生産大量消費時代への大転換である。単なる置換労働技術 進化ではない。まず最初に起きるのが、AI関連の新しい技術に対する高 度な熟練労働需要である。この時点ですでに労働不足になっている。

これに対し、新しい技術労働に対する移行による補填として移民・休眠労 働力に対する需要が高まる。そしてAI技術の進化が高ければ高いほど、 長い時間を要しながら労働置換が進む。逆にもしそうでなくAIが単なる 労働置換技術であるならば、一時的な労働力不足だけが起きる。

もしAIが単に失業者を生むだけとして、AIにブレーキをかけるなら、 社会全体の漸進リズムが狂い、もっと大きな経済の成長チャンスを失う。 AI革命はそれくらいインパクトの大きな技術革新である。

冒頭の古い施設に寄り添った新型アリーナつぶしと同じだ。AIつぶし だ。さもこれがジャーナリズムの対立意見の提示であるように、正しい情 報として安易に活字化してしまうところが極めて危険だ。

AIごときで失う仕事は、いずれ早晩市場から退場すべき効率の悪い生産 性のない仕事であるはず。ビット単位のデジタルディバイスの一部が今後 量子コンピューターに変わろうとしている。これを重大な失業危機として しまうか、それとも重要な産業転換と考えられるか?の違いだ。

「フェイクニュース」という言葉があった。大量情報時代この言葉は死語 になるだろう。どこどこの情報エージェントは真でどこどこは偽だという 区別は時代遅れだ。そもそも物事に真偽を正確に評価できない。真偽はユ ーザーが感じるものだ。

                以上

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