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主筆:川津昌作
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大量デジタル情報の消費社会は何処に向かう? ―新たなるデジタル情報 不動産ID―

〈2024年12月5日〉

近の「タイパムーブメント」は単なるZ世代の流行ではなく、 大量デジタル情報生産時代における大量デジタル情報の消費社会の 一面である。情報の大量消費時代が始まった。これが前回までの議 論である。

今後、消費が増加する分野もデジタル情報化が進む分野であること は明らかである。デジタル情報化が実装された財物の大量消費を意 味する。今後の経済成長には財物のデジタル情報化(供給)が欠か せられない。と同時に、情報として大量生産されることが前提条件 となる。

社会で起きている現象は、それぞれが独立したイベントではなく、 すべてがつながり連携して生じている。人も物も概念もすべて関連 している。

時計と言う道具は、いくつもの歯車などの部品が独立して機能して いるのではなく、すべてがコネクトして連携して初めて「時」を刻 む道具と言う完成品を生み出している。日本産業が得意とする自動 車の生産は、燃料系ディバイスの連携こそがその真骨頂でもある。

昨今のIT技術の進化は、このような、モノの動き、自然現象の胎 動だけでなく、人の感情・考えをもデジタル情報まで表そうとし始 めようとしている。そこでは、大量のデジタル情報が生産される IT革命が機能してきたわけだ。

モノの動き、自然現象の動態現象をデジタルデータで見えるかする ようになると、その連携、つながり、コネクトが見えるようにな り、そして新しい制御の概念が生まれてくる。

デジタル情報化で一変したのが、エネルギー分野だろう。エネルギ ーの中でも電気はデジタル情報そのものである。電気エネルギーは デジタル数値で細かく制御ができる。

従来の社会は、化石燃料を中心とした燃料系のエネルギー消費が中 心であった。そして地球規模の温暖化で見直しが始まった。エネル ギー消費におけるCO2の排出と吸収のギャップがゼロ以下にしな ければならなくなった。

その方策として、エネルギー消費がデジタル単位で制御できる電力 エネルギーに特化し始めた。しかしその一方で、エネルギーのデジ タル化には大量の電気エネルギーが必要となる。この分電気エネル ギーの消費が増加するが、人間界のエネルギー消費を細かく制御し CO2の輩出を全体として減らす。 この電気エネルギーの増加分を太陽光、風力などの再生エネルギー に転換することで、この増加分をも細かく制御しようと言うのが現 在の世界のエネルギー政策の方向性である。

この政策も、デジタル化が装備可能になったエネルギー産業で初め て可能になるわけだ。デジタル情報の大量消費が、大量デジタル情 報の供給によって起きたのである。

MLBで活躍の大谷の異次元の所業も、野球理論のデジタル化、投 球ボールの回転数、打撃角度などの実効性あるデジタル情報の実装 かが可能となり、それらが有効に活用(消費)されることによって 実現したのではないか?

消費が、直接財物の経験的な属性ではなく、デジタル情報化された 客体の情報を介してなされる社会では、財物、概念のデジタル化を 装備できていない分野が消費市場から取り残されるようになる。

前回の不動産IDも、不動産概念のデジタル化であり、デジタル情 報化が不動産ビジネスの発展のカギとなることが分かっているから こそ、議論がなされているわけだ。

上述のエネルギー消費同様に、医療分野でも保険証のデジタル化が 始まろうとしている。デジタルで医療の消費をコントロールできれ ば、医療産業の新たな消費成長も可能であろう。

一方、一向にデジタル情報化が見えない分野が日本の政治、教育で はないだろうか?政治的意思決定に要する時間的遅さは、社会が激 しく変化しタイムリーに政策を打ち出さなくはならない時代にとっ て、致命的な問題である。

教育の場での暗黙知のような成果主義は、大量の情報処理能力を育 成する効率性にそもそもなっていない。

更に今後10年前後で起きるであろう、生体認証社会になれば、新 たな生態情報処理社会が求められる。さらにその先にある遺伝子情 報による消費社会とはどのような風景であろうか?どのようなシン ギュラリティ現象が起きるのであろうか?

今言えること、はデジタル情報化が実装できる分野・人財物は生き 残り成長するであろう。そうでない分野・人財物は消えてなくなる 分野であろう。そしてデジタル情報を制御できるスキルが重宝され るだろう。

以上

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